様々な事情で滞納せざるを得なくなったとき、納税者には、憲法や法律で救済される「権利」 があります。先日付小切手はきっぱり断り、分納や納税猶予を申請しましょう。税金でお困りでしたらご相談下さい。
年間の売上高が1,000万円を超えると消費税の課税対象者になります。
複数税率の導入により区分経理による記帳も求められます。
計算の仕方がわからない、帳簿の整理・資料の保存などでお悩みの方はぜひ上尾民商へご相談ください。
上尾民商では毎月定例の記帳学習会や消費税学習会で領収書の整理、日計表、帳簿のつけ方を実践的に学び合い、仲間どうしお互いに知恵を出し合いながら日常的に税金対策の交流をすすめています。
ネット取引き、フリーランスの増加にともない、税務署は無申告者の洗い出しをしています。同時に消費税課税のボーダーラインである売上高1000万円前後の事業者への調査を強化しています。
通常の調査は任意調査です。原則納税者の承諾のうえで調査は進められます。
民商では税務署員の言いなりにならないように納税者の権利をしっかり学び、調査に負けない力を身に付ける取り組みをしています。
自主申告こそ納税者の基本的な権利です(国税通則法16条)。
税務署員の身分証明書(写真付)・質問検査章を出させて相手の身分を確かめること(国税通則法74条13)。
事前通知を行うことが法定化されました。調査の日時、調査の場所について都合の悪いときは日を改めさせることができます。事前通知のない調査のときはその理由を確認すること(国税通則法74条9。憲法13条・31条。国税庁の税務運営方針)。
納税者の権利を守るために、調査に応じるときは信頼できる人の立ち会いの上ですすめること。「立ち会い理由の青色取消は不当」(春日裁判・東京高裁判決1993年2月23日に確定)
どんな理由で何の調査で来たのか理由を確かめること。「調査理由を開示すること」(憲法13条・31条。第72回国会で請願採択・1974年6月3日)
調査はその目的の範囲内に限定させること。「資料の提供を求めたりする場合においても、できるだけ納税者に迷惑をかけないように注意する」(憲法13条・31条。国税庁の税務運営方針)
納税者の承諾なしに工場や店内に入ることは違法です。事務所、工場、店内、まして自宅で一人歩きなどさせないこと。「令状なしで侵入、捜査および押収を受けることのない権利」(憲法35条・住居の不可侵)
検査とは、納税者が任意に提出した関係書類などを調べることであり、承諾なしに勝手に引き出しをあけたりする調査は違法(北村人権裁判・大阪高裁判決。1998年3月19日に確定)。また、帳簿や伝票類の勝手なコピーはさせないこと。
納税者に承諾なしの取引先や銀行などの調査は断ること。「反面調査は客観的にみてやむを得ないと認められた場合に限って行う」(国税庁の税務運営方針)
印鑑は命。税務署員に『押印』を求められた場合、修正申告書に限らずどんな書類(質問応答記録書など)でもその場ですぐ押さず、よく考えてからにすること(公務員の職権乱用罪・刑法193条)。
※上記は「全商連|税務調査についての10の心得」より許可を得て転載。
売り上げが減って納税がくるしい・・・ 税務署からの督促に悩んでいる・・・。
いま、厳しい経営実態のもとで税金や社会保険料、年金などが払いきれず、やむなく滞納してしまった納税者に対し、営業や生活の実情を無視して預金や売掛金を差し押さえるなど、問答無用の滞納処分が全国で横行し、廃業や自ら命を絶つ悲劇さえ起きています。
民商・全商連は税務署や自治体の一方的な滞納処分に対して、納税者の権利として「納税緩和措置」の活用を呼びかける全国的な運動を展開しています。
税金の滞納でお困りの際は、上尾民商までご相談ください。
一時的に税金が納められなくなったときは「納税の猶予」(地方税は「徴収の猶予」)や「換価の猶予」を活用することができます。国民健康保険税や社会保険料にも適用されます。猶予期間は原則1年間(最長2年間)です。猶予期間中は新たな督促や滞納処分をすることができず、申請によって差押えが解除されることもあります。原則として担保が必要とされますが猶予額が100万円以下などは必要ありません。猶予額が100万円を超える場合でも担保を提供することができない「特別の事情」がある場合に該当すれば必要ありません。
猶予の区分 | 猶予申請書 | 猶予が申請できる要件 | 添付書類 |
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換価の猶予(徴151または151の2) | 換価の猶予申請書(申請型) | 納付の誠意が認められ、一時に納付することにより事業の継続、生活の維持を困難にするおそれ(納期限から6カ月以内の申請) | |
分割納付計画書(職権型)※猶予申請書ではないが実務上申請書に代わるものとして使用される | 納付の誠意が認められ、直ちに換価することにより事業の継続、生活の維持を困難にするおそれ、または猶予することが徴収上有利の場合のいずれかに該当 | ||
納付の猶予(通46②または46③) | 納付の猶予申請書(通常の納税の猶予)※通46② | 災害・盗難・病気・貸倒れ、事業上の著しい損失等に起因した納付困難の場合(原因発生後すみやかに申請) | 災害・盗難等事実を証明する書類 |
納付の猶予申請書(賦課遅延に係る納税の猶予)※通46③ | 1年以上賦課の遅延が生じた場合で、納付困難なとき(納期限内の申請が要件) | 遅延した事実があればよい |
放置せず、納税の誠意を示し、分納相談をしましょう。大事なことは納税の誠意を示すことです。早めの対応は分納相談を有利に進めることにつながります。
また、猶予申請時に1年以内に完納が見込まれない場合は「1年を超える部分の金額は(申請書の)最終月の分割納付金額として記入することもできます。
日本国憲法は「生活費に税金をかけてはならない」「能力に応じて公平に負担する」を原則にしています。滞納はこの原則に外れた税制に責任があります。
滞納を「恥ずかしい」と放置すると差し押さえなどが進行します。税務署などからの督促状などは放置せず、また、決してあきらめず、民商で仲間に相談しましょう。
事営業と生活の状況を数字でつかみ、対策を話し合いましょう。無理のない支払いにするなどの交渉の力になります。
「納税の猶予」(国税通則法46条)「徴収猶予」(地方税法15条)などを認めさせれば差し押さえはできません。差し押さえの解除も申請できます。1年以内の分割納付も可能です。
国税庁は、先日付小切手を「強制的に振り出させない」としています(2005年5月17日 衆議院財務金融委員会)。キッパリ断りましょう。
憲法25条は生存権を保障しています。生存権的財産の家や預金の差し押さえは、憲法29条の財産権の侵害です。売掛金や生命保険の差し押さえはやめさせましょう。
事業の継続、生活の維持を困難にする恐れがある財産の差し押さえは、猶予または解除できます(「換価の猶予」国税徴収法151条、「差押えの猶予」地方税法15条5)。
延滞税の免除も主張しましょう。「納税の猶予」が認められると、延滞税は1.7%(2017年)になり全額免除も可能です(国税通則法63条、租税特別措置法94条、地方税法15条9)。
「超過差し押さえ」や「無益な差し押さえ」は禁止されています(国税徴収法48条)。差押財産の選択は「生計や事業に与える影響が少ないことを考慮」しなければなりません(国税徴収法基本通達47-17)。
「滞納処分の執行停止」を認めさせましょう(国税徴収法153条、地方税法15条7)。3年継続すると納税義務は消滅します(国税徴収法153条4、地方税法15条7)。明らかに徴収不能な場合、納付義務を消滅できます(国税徴収法153条5、地方税法18条1)。
※上記は「全商連|税金・保険料の滞納処分から身を守る10の対策」より許可を得て転載。